私は今年で33歳になる会社員です。このくらいの年齢になると、友人たちのおおよそ半分くらいは結婚しており、結婚式の出席もこれまでの人生の中で、それなりに経験してまいりました。今回は、その中で特に私の印象に残った結婚式のエピソードをご紹介いたします。確か私が25歳くらいのとき、中学校~高校まで同じクラスだったクラスメイトの男性(以後Aくん)が、結婚式を開催いたしました。妻は同い年で、職場で知り合ったといいます。Aくんは成績優秀でスポーツも万能。いわゆる優等生タイプでかなりクールな性格の友人でした。そんな彼の結婚式の進行は順調に進み、最後はおなじみの新婦から両親に向けてのお手紙。それを新婦が読み終えるとAくんは「私からも手紙があります。両親へ向けてです。」と切り出しました。数ある結婚式の中でも、新郎から両親へ宛てる手紙というのは珍しいのではないでしょうか。その手紙を読んでいく中でAくんは「生んでくれてありがとう、これから新婦のことを必ず一生幸せにしてみせる、本当に両親のことを誰よりも尊敬しており、愛している。」と時折声を詰まらせて涙ぐみ、なかば絶叫のような形で熱弁しておりました。私が知っているクールでかっこいいAくんの姿はそこにはありませんでした。オーディエンスもみんなその意外な姿に圧倒され、スピーチの内容もたいへん素晴らしいものだったため、涙ぐんでおりました。結婚式とは、新婦だけではなく新郎にとっても一生に一度の大きな晴れ舞台。私も実は今年の冬に地元の新潟で結婚式を行うのですが、その際には彼のように両親に向けた手紙を必ず読み上げたいと思います。泣いてしまいそうですが。こんなときくらいにしか両親へのメッセージというのは照れくさくて言えませんものね。これを見てくださっているみなさんも、結婚式だけにはとどまらず、大切な人が生きているうちに、一度感謝の言葉を述べてみてはいかがでしょうか。
33歳男 忘れられない結婚式
