30歳男 披露宴だけでは飲み足らず、熊本まで飲みに行った結婚式
私は福岡市在住の40歳会社員です。
10年前に会社の先輩の結婚式に出席した時の話をします。
入社以来ずっとお世話になっていた先輩だったので、少しでも協力をしたいと思っていたので、私は披露宴の受付を引き受けました。
当日、式には出席しませんでしたが、受付ということもあり、私は同僚と早めに式場入りしました。
先輩は熊本県の山間部出身で、その地域の習わしで、地元の人も披露宴に招待していました。
先輩からは、マイクロバスで地元の人たちが早めに到着すると聞いていたので、花嫁側の受付の人がまだ到着していない中、受付の準備をしました。
すると熊本ナンバーのマイクロバスが到着しました。
ドアが開き、中からおじさんたちが、ワイワイガヤガヤ話ながら降りてきました。
驚くことにみんな顔が真っ赤で、猛烈なお酒の匂いがしていました。
どうも熊本を出発した時から、飲み始めて、いい気分で式場に到着したようです。
受付もどうにか終わらせたおじさんたちは、早速ウェルカムドリンクをガバガバ飲み始めました。
度肝を抜かれた私たちは、気を取り直して受付を再開しました。
ようやく受付を終わらせ席に着くと、式場の一角がとても賑わっていました。
もちろんあのおじさんたちです。
披露宴が始まり、さすがに最初は静かにしていましたが、乾杯が終わるとすぐに調子を取り戻し、大いに盛り上がっていました。
トイレに行った私が席に戻ろうと、おじさんたちの側を通ると、一人のおじさんから、
「受付のにいちゃん、一緒に飲むばい」
と声をかけられました。
あまりに楽しそうだったので、私は誘いに乗っておじさんたちと飲むことにしました。
おじさんたちは、楽しいお酒をの飲める人ばかりで、私は初めて会ったとは思えないくらい打ち解けることができました。
気付けば私は結婚式そっちのけで、おじさんたちとの酒盛りを楽しんでいました。
披露宴は私たちを取り残し、感動の内にお開きとなりましたが、私はまだまだおじさんたちと飲みたくて仕方ありませんでした。
先輩に二次会を辞退する旨を伝え、おじさんたちとマイクロバスに乗り込み、熊本県まで飲みに行くことにしました。
マイクロバス飲みに中でも飲み、おじさんの中の一人のウチにお邪魔して泊まりがけで飲み続けました。
次の日の夕方、私はほとんどお酒が抜けきれないまま電車で福岡まで帰りました。
これまでいくつもの結婚式に参加しましたし、たくさんお酒を飲みましたが、熊本まで飲みに行ったのは、この時だけです。
先輩夫婦にとっても私にとっても忘れられない披露宴となりました。